
授業で児童に語り掛ける養護教諭の芦川恵美さん=埼玉県飯能市の市立富士見小学校【拡大】
学ぶポイントは(1)心の不調は誰にでも起き得る(2)睡眠不足など生活習慣が影響する(3)誰かに相談することが大事-の3点。プリントを穴埋めしながら、自分は誰に相談するかも考えてもらう。
この教材は精神科医の佐々木司東京大教授(健康教育学)、大学院生の小塩靖崇さんらが作った。授業1回で完結し、外部専門家に頼む必要がない手軽さが特長という。
発症14歳以下で
思春期の入り口に立つ年齢で、なぜ心の健康を学ぶ必要があるのか。
佐々木教授は「思春期は感情をコントロールしにくくなる年代で、精神の不調が起きやすい」と指摘。約5人に1人が一生の間に精神疾患を経験するが、大人の精神疾患の半数は14歳までに発症するという。「早めに気付き、手当てすることが大切だ。それには知識がいる」と佐々木教授は言う。