
授業で児童に語り掛ける養護教諭の芦川恵美さん=埼玉県飯能市の市立富士見小学校【拡大】
察知の手助けも
東京大大学院生の北川裕子さんは、タブレット端末を使い、保健室を訪れた中高生の精神的な不調を早期発見するためのアプリを試作中だ。不安や抑鬱、自殺のリスクなどを測るため国際的に使われる質問から、学校で使うのに適したものを選んで構成した。
生徒自身に入力してもらう形式で、所要時間は5分ほど。「生きていても仕方がないと考えたことは?」「(自殺の)具体的な計画を立てたことは?」など、対面では聞きにくいこともタブレットが尋ね、養護教諭が面談で補う。結果は点数化され、危険度が高ければ家庭や医療機関と連携するきっかけになる。
試した生徒からは「声に出しにくいことも1人でそっと回答できる」との感想も聞かれたという。北川さんは「今後1年ほどで完成版にしたい」と話している。