平成29年春に卒業予定の大学生らを対象とした企業の採用面接が1日、解禁され、選考活動が本格的に始まった。就職活動をめぐる経団連の指針は2年連続で変更。今年は説明会の解禁時期は昨年(3月1日)と同じだが、選考開始は8月から6月に前倒しされ、説明会から面接までの期間が短い“短期決戦”となる。
一方、採用意欲の高まりを背景に解禁前に内定を出す企業も続出。民間就職情報会社各社によると、5月1日時点での内定率は25~29・1%で、いずれも昨年同時期と比べ上昇した。
明治大学就職キャリア支援センターの福田敏行部長は、昨年の段階から準備を進めた学生と、説明会が解禁された3月以降に動き出した学生と「二極化」の傾向にあると指摘。「採用活動は前年度より期間が長いともいえる。“短期決戦”という言葉に惑わされず、企業をじっくり見極めてほしい」と話した。
オワハラも依然
「もっと業種や企業を選ぶ時間が欲しかった」。昨年より2カ月前倒しとなった日程に、学生からは戸惑いがうかがえた。
東京都千代田区のリクルートグループ各社が入るビル。ひっきりなしにスーツ姿の学生が出入りする中、面接を終えて出てきた人材広告会社志望の私大4年の男子学生(23)は、今年の就活日程について「正直、短い。途中で興味が湧く企業もあるのに、気付いたときには説明会が終わっていることが多い」と不満を漏らした。