テンプスタッフが開催する「働きたい・働き続けたいママ向けセミナー」。子育て中の女性を中心に、時短や週5日未満の制限勤務の派遣が人気だ=1月、東京都新宿区【拡大】
午後5時退社のはずが、4時半から会議が始まる。復帰前と仕事量は変わらない。夫や離れて暮らす親に「間に合わないので保育園のお迎えをお願い」と机の下でメールを打つ日々だった。中耳炎を繰り返していた子供が症状を悪化させたことで「もう無理」。離職を決めた。
会社は辞めても仕事は続けたいと派遣会社に登録。午後5時までという条件付きでもすぐに声がかかった。時給は1600円程度。月収で40万円近くあった正社員時代に比べ大きく下がったが「パートよりはずっといいし、勤務時間を考えればむしろ満足」と感じている。
派遣大手スタッフサービスでは、今川さんのような勤務制限付きの派遣社員を「コアタイム人材」と呼んでいる。午前10時から午後3時の仕事の集中時間(コアタイム)は働けるという意味合いだ。同社では月労働時間が80時間以上100時間未満のコアタイム人材は、4月末時点で2年前の6倍という。
「派遣先企業は勤務制限のある人を受け入れないと、即戦力を採用できなくなっている」。急増の背景を、スタッフサービスの営業担当者はそう明かす。