テンプスタッフが開催する「働きたい・働き続けたいママ向けセミナー」。子育て中の女性を中心に、時短や週5日未満の制限勤務の派遣が人気だ=1月、東京都新宿区【拡大】
10万人の派遣社員を抱えるテンプスタッフでも、短時間や週5日未満勤務を希望する新規の派遣登録者(首都圏)が11年度から5年間で2.8倍と急増。担当者は「子育て中でも経験を生かして働きたい女性が増えている。今後は介護を理由に男性でも増えるのでは」とみる。
派遣求人サイト運営のエン・ジャパンによると、週3日勤務の求人案件は15年1月で前年同月比約1.6倍、1日5時間以内だと約1.5倍に増えている。同社は時短求人を集めたサイト「女の求人マート」を昨年立ち上げた。「人材難の結果、派遣各社は時短案件に力を入れている」という。
2002年に設立した新興のビースタイルは、創業時から主婦人材に特化した「パートタイム型派遣サービス」を展開してきた。当初は「フルタイム人材に勝てるわけがない」と業界内ではささやかれた。しかし企業が「優秀なら短時間でも来てほしい」となった今、同社は「短時間勤務でもレベルの高い主婦人材のデータベースがある」(担当者)と競争力をつけている。
短時間勤務の派遣スタッフでは、派遣先が望む時間帯に対応しきれない「穴」があきがちだ。そこで同社は派遣先の会社の業務パターンを分析。シフト勤務にしたり繁忙期には複数人を派遣したりと、派遣先に対応策を提案しているという。