“時短派遣”事務系人材難で急増 即戦力を非正規雇用「パートよりはずっといい」 (4/5ページ)

2016.6.10 07:30

テンプスタッフが開催する「働きたい・働き続けたいママ向けセミナー」。子育て中の女性を中心に、時短や週5日未満の制限勤務の派遣が人気だ=1月、東京都新宿区

テンプスタッフが開催する「働きたい・働き続けたいママ向けセミナー」。子育て中の女性を中心に、時短や週5日未満の制限勤務の派遣が人気だ=1月、東京都新宿区【拡大】

 35歳限界説消える

 時短派遣の増加は、派遣市場も変容させている。

 女性が主の事務系派遣社員といえば「リーマン・ショック前までは(派遣先企業から)『若い子にしてよ』といった声はざらだった」(派遣大手の営業担当者)。しかし労働市場から20代は減り続け、一方で時短派遣拡大もあって子育て世代が増加。日本人材派遣協会の調査によると派遣社員の平均年齢は14年時点で38.1歳と、ここ数年で急速に高くなった。事務系派遣には“35歳限界説”があったが、すっかり様変わりした。

 「派遣はかつての経験が生かせる事務職が多く、パートよりも時給は高い。そこに時短が認められる今、主婦人材はますます増えるだろう」と、ビースタイルしゅふJOB総研の川上敬太郎所長はみる。

 企業、不景気に備え人件費抑制

 時短派遣が増える背景には、単純な人手不足とは別の一面もある。求職者1人に対し何件の求人があるかを示す有効求人倍率は、4月時点で前月比0.04ポイント上昇の1.34倍。1991年11月以来、24年5カ月ぶりの高水準だった。しかし個人消費は落ち込んだままで、求人増とは裏腹に景気回復が実感されていないのが実情だ。

「派遣先の企業は不景気を見越して、人件費をできるだけ変動費化させたがっている」

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