「寄与分の考えは介護にはほとんど適用されません」。寄与分とは、親の財産を増やすことに貢献した相続人が貢献度に応じて財産を多く受け取ることができるというもの。介護は財産を「増やす」ことにはならないため、寄与分は認められないのだ。
そこで「面倒を見てくれた長男の嫁に報いるための最もよい方法は、養子縁組をすることです」と天野氏はいう。子供の配偶者はそれだけでは相続人にはなれない。養子縁組をすることで、長男や次男と平等の相続人になれるのである。
トラブルなき相続には遺言書が有効だといわれる。だが、実際には進んで遺言を書く人は少ないという。
「遺言書があった場合でも、中身を読むと『誰かに書かされたのではないか』と思われるものも多いですね」
遺言には気軽に作成できる「自筆証書遺言」と、本人が公証役場に出向いて作成する「公正証書遺言」とがある。後者のほうが安心だが、偽造されるおそれもゼロではない。