先輩移住者も田舎暮らしの体験談を語った。県南部の山あいにある古座川町の山本拓自さん(44)は8年前に埼玉県から妻の出産を機に移り住んだ。田舎暮らしは横浜育ちの妻が希望した。
「(休日には)ハンモックで寝たり、近くの古座川でカヌーで遊んだりしている。山の中でバイクも走らせている」と田舎暮らしを満喫しているという。そして「コンビニも大きな病院も信号機もない。でも不便だと思ったことはない。都会で日常生活を送るストレスはなく、毎日が楽しい」と語った。
山本さんはNPO法人の研修指導員として働きながら、ユズや米を作る。家庭で消費する分はまかなえているという。「お金を使うことがほとんどなく、財布に5千円を入れるとそのまま1カ月たっても残っていることもある」と話し、生活費が都会ほどかからないという点を強調した。
大阪に窓口開設相次ぐ
大阪ふるさと暮らし情報センターは「ふるさと回帰支援センター」(東京)の西日本の拠点として平成21年に設立された。地方移住への関心は高まっており、23年に年間30回だった関係県などとの共催セミナー数は、27年には65回で2倍以上に増え、今年は80回を超える見込みという。問い合わせや面談などの件数も23年の8606件から、27年は1万2380件へと1・5倍近くに増えた。