若者らがあこがれる田舎暮らし 「年収300万円を切っても生活は豊か」 (2/6ページ)

和歌山県古座川町の古座川で川遊びする人ら(山本拓自さん撮影)
和歌山県古座川町の古座川で川遊びする人ら(山本拓自さん撮影)【拡大】

  • 地域の魅力を参加者にPRする和歌山県内の市町村担当者ら=8月27日、大阪市中央区
  • 出席者たちに田舎暮らしの体験談や注意点などを話す先輩移住者の山本拓自さん(右)ら=8月27日、大阪市中央区
  • 和歌山県古座川町の古座川。流れがゆるやかなため、空模様がそのまま鏡のように川面に映し出される(山本拓自さん撮影)
  • カヌー遊びも盛んに行われるという和歌山県古座川町の古座川(山本拓自さん撮影)

 先輩移住者も田舎暮らしの体験談を語った。県南部の山あいにある古座川町の山本拓自さん(44)は8年前に埼玉県から妻の出産を機に移り住んだ。田舎暮らしは横浜育ちの妻が希望した。

 「(休日には)ハンモックで寝たり、近くの古座川でカヌーで遊んだりしている。山の中でバイクも走らせている」と田舎暮らしを満喫しているという。そして「コンビニも大きな病院も信号機もない。でも不便だと思ったことはない。都会で日常生活を送るストレスはなく、毎日が楽しい」と語った。

 山本さんはNPO法人の研修指導員として働きながら、ユズや米を作る。家庭で消費する分はまかなえているという。「お金を使うことがほとんどなく、財布に5千円を入れるとそのまま1カ月たっても残っていることもある」と話し、生活費が都会ほどかからないという点を強調した。

 大阪に窓口開設相次ぐ

 大阪ふるさと暮らし情報センターは「ふるさと回帰支援センター」(東京)の西日本の拠点として平成21年に設立された。地方移住への関心は高まっており、23年に年間30回だった関係県などとの共催セミナー数は、27年には65回で2倍以上に増え、今年は80回を超える見込みという。問い合わせや面談などの件数も23年の8606件から、27年は1万2380件へと1・5倍近くに増えた。

センターの事務所内では当初、福井県が月に1日のみ窓口を開いていたが…