若者らがあこがれる田舎暮らし 「年収300万円を切っても生活は豊か」 (5/6ページ)

和歌山県古座川町の古座川で川遊びする人ら(山本拓自さん撮影)
和歌山県古座川町の古座川で川遊びする人ら(山本拓自さん撮影)【拡大】

  • 地域の魅力を参加者にPRする和歌山県内の市町村担当者ら=8月27日、大阪市中央区
  • 出席者たちに田舎暮らしの体験談や注意点などを話す先輩移住者の山本拓自さん(右)ら=8月27日、大阪市中央区
  • 和歌山県古座川町の古座川。流れがゆるやかなため、空模様がそのまま鏡のように川面に映し出される(山本拓自さん撮影)
  • カヌー遊びも盛んに行われるという和歌山県古座川町の古座川(山本拓自さん撮影)

 シニア層でなく子育て世代に

 14年に東京でふるさと回帰支援センターが設立された。元々は、団塊の世代の定年後の田舎暮らしを支えるのが主眼だったが、近年は30~40代の子育て世代からの相談が増えているという。大阪ふるさと暮らし情報センターのまとめでは、昨年の相談者の割合は40代までが61%を占めた。東京の統計でも20年は30%だったが、27年は67%にまで増えた。

 8月に開かれた和歌山県のセミナー会場でも、若い世代やカップルの参加が目立った。大阪市内の会社員の男性(32)は「今の仕事は完全なデスクワークで人との関わりがない。収入が減っても、時間に余裕があるほうがいい。観光産業などに携わりながら、趣味に没頭する生活もいい」と話していた。

 また、兵庫県伊丹市の会社員の男性(24)は、満員電車での通勤などにストレスを感じているといい、自然豊かな環境での生活を模索している。「農業や漁業をしながら、ブログで情報発信し、収入を得たい」と語った。

「地方移住の敷居が低くなった」