介護保険制度改正に向けた“課題” どうなる「軽度」のサービス縮小 (3/5ページ)

車いすや歩行車などを、要介護度の軽い人が利用するときの負担割合も見直しの対象になっている(写真と本文は関係ありません)
車いすや歩行車などを、要介護度の軽い人が利用するときの負担割合も見直しの対象になっている(写真と本文は関係ありません)【拡大】

 委員の1人は「来年、再来年に天から降ってきたみたいに専門性を持った職員を、現場にたくさん配置できることはあり得ない」と指摘。専門職を、より技能が必要な重度者の身体介護などに集中させていくことが現実的だとする。

 検証も済まぬ間に…

 だが、自治体への移行も容易ではない。厚労省は前回改正で、より軽度の「要支援1」と「要支援2」の訪問介護などを、自治体事業に移したばかり。移行の猶予は29年4月までだが、全国3分の2の自治体はそれにも手がついていない。

 さらなるサービス移行に、委員からは「あまりにも時期尚早。特養の入所が原則要介護3以上になっており、要介護1、2の在宅サービスの必要性は高まっている」との意見が出る。

 移行を急ぐ背景には、深刻な財源不足がある。介護保険の給付総額は28年度に10兆4千億円となり、制度開始時の3倍に迫る。一方で、消費税率10%への引き上げは31年秋まで先送りされ、医療と介護への風当たりは強い。委員からは「制度の持続可能性の観点からは、時間との勝負という要素もある」との声も漏れた。

負担増の案めじろ押し