
TPPからの離脱に関する大統領令に署名したトランプ米大統領=1月23日(AP)【拡大】
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ただ、こんな賃上げムードに影を落とすのが、トランプ米大統領が打ち出す政策の波紋だ。経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長のトップ会談でも、「懸念と期待が交錯している」(榊原氏)「予断を許さないのは事実。経済にどう影響するのか無視することはできない」(神津氏)と懸念の色を隠さない。
トランプ氏による保護主義の台頭や、ドル高是正に向けた強権的な言動は、日本経済や企業業績に少なからぬ影響を及ぼす。また、春闘の牽引(けんいん)役となる自動車業界に対し、トランプ氏が日米の自動車貿易が不公正だと指摘していることも懸念材料だ。
連合は、中期的な展望を確保するためにも月額賃金の引き上げにこだわる姿勢を崩していない。だが、神津会長は「トランプ氏の政策に関連し、企業業績や先行きに悪影響が出た場合、一時金の減額はやむを得ない」との見解を示し、ボーナスの減額については容認する姿勢をみせた。
世界的に景気の不透明感が強まる中で、岐路を迎えた29年春闘。交渉の行方はまだ手探りだ。