
「Apartment Therapy」より
研究では実際に整理整頓されたオフィスと、散らかったオフィスを舞台にした実験を行なっている。それぞれのオフィスにやってきた実験参加者に、その場でピンポン玉の新たな使い道を考えるようにリクエストしたところ、散らかったオフィスで考えた人々のほうが、斬新さやクリエイティビィティの面で独創的なアイディアを提案する傾向が強まったという。これにより研究者たちは、散らかっている環境は創造的な思考に拍車をかけ、問題の解決策をより早く見つけ出すことができると主張したのだ。散らかった環境の中で人は、世界が常に秩序だって存在しているものでないことを実感し、それにより創造的な思考へ駆り立てられるということである。
昨今はノートパソコン1台あればかなりの仕事が可能になっているが、これを受けて一部の職場で取り入れられているのが、個人が特定のデスクを持たず会社の好きな場所で仕事をする“ホットデスキング”だ。オフィスの省エネ&省スペース化に大きな貢献をするこのホットデスキングだが、このヴォース教授らの研究に則れば、クリエイティブな仕事をするにはあまり向いていないということになる。
確かにホットデスキングはオフィス全体の作業の能率を高めるものだが、個人専用のスペースがないことには考えを深めたり、創造的な思考ををめぐらせるのが難しくなるという研究も報告されている。もちろん、創造性を要求されない業務内容であればホットデスキングは大きな効力を発揮するともいえるが、深い考察やクリエイティブワークにはやはり決まった“占有地”が必要なのかもしれない。しかし必ずしもその場所が会社内である必要もないわけではあるが……。