タワマンより豊か 衰退するのはもったいない首都圏の“名作”ニュータウン3選 (5/7ページ)

 また現代は、多くの就業者が「制約社員」の時代である。昔の男性のように無制約に働けない。家事も育児も介護も妻に任せて、100時間以上の残業も休日出勤も単身赴任も突然の出張もできた無制約社員の時代ではないのだ。女性には子育てがあり、男性もイクメンが求められ、男女ともに親の介護もありうるし、高齢者は体力的に毎日働いたり、残業したりできない。みんなが制約を持って働くのだ。

 逆に言えば、制約社員を前提にすれば、ほとんどの人が働くことができるのである。無制約社員は都心のタワーマンションに住む人たちに任せて、郊外はワークライフバランスのとれた制約社員の街になったほうがよい。新しい働き方(ぶどう酒)は新しい住まい方(革袋)に入れたほうがよいだろう。

 ウォーカブル+ワーカブル(歩いて楽しい+働いて楽しい)な街にする

 ベッドタウンが在宅勤務地となることで、そこは言わば「都市化」する。単なる田園郊外住宅地ではなく、自然の豊かな「田園」「庭園」に囲まれた多機能的な「都市」という意味での、本来の「田園都市」にようやくなるのだ(郊外の都市化については『東京は郊外から消えていく!』で最初に提案した)。

 これまでは、都市的機能を都心にすっかり任せて、郊外のほうは、ただ買い物をして、食べて、寝て、子育てをするだけの街をつくってしまった。これが戦後の郊外の弱点であり、持続可能性を持たなかった大きな原因だ。

 だから今後は、郊外に「働く」という機能を付加し、そこから、休む、出会う、交流する、発想する、考える、創造する、といった機能を持った都市へと発展させていき、単なるベッドタウンではないという状態に持っていく必要がある。自然の豊かな郊外の中で昼間働く人がたくさんいる状態にするのだ。

 住みよい街の一要素はウォーカブル(walkable:楽しく歩ける)であることだが、そこにもう1つの要素としてワーカブル(workable:楽しく働ける)であることを追加したい、というのが私の提案である。

郊外を官能都市化せよ!

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