タワマンより豊か 衰退するのはもったいない首都圏の“名作”ニュータウン3選 (6/7ページ)

 ちなみに2011年に私が行った「東京圏調査」で、働いてみたい地域を郊外居住地別に集計したところ、最も多かったのはつくばエクスプレス沿線居住者であり、沿線に住む人の70%が沿線で働いてみたいと回答した。

 2位はさいたま市で63%、以下、千葉市が57%、横浜東部(海側)が56%、武蔵小杉のある南武線が46%、東急田園都市線沿線が45%、千葉県湾岸が41%、埼玉南部が37%、中央線多摩地域が36%、松戸・柏が35%という結果であった。

 浦和、千葉、横浜という県庁所在地がある地域が2~4位を占める中で、つくばエクスプレス沿線が1位になったのは注目に値する。当時の私にはこの数字の意味が十分理解できなかったのだが、今回流山市を取材してみて納得した。

 つくばエクスプレス沿線は「郊外のサテライトオフィスや自宅などで働きたい」という人も26%でダントツに多く、「もっと郊外で働き口、雇用を増やすべき」だという意見も26%で最多だった(『東京は郊外から消えていく!』参照)。

 郊外を官能都市化せよ!

 仕事に必要な事務用品はインターネット通販などの宅配で買える時代だから、商店街にあらゆる業種の商店と商品が揃っていることは在宅勤務地としては必須ではない。むしろひたすらアマゾンが使いやすい街にしてしまうという手もある。駅など街のあちこちに宅配ボックスが設置されていれば便利だし、宅配業者も楽だ。

 その一方で、自然が豊富であるとか、仕事に疲れたらサーフィンができるとか、森の中をジョギングできるとか、農作業ができるとか、ちょっと気晴らしできる喫茶店や仕事帰りに楽しめる飲食店が多様に存在するとか、いろいろな人たちとの出会いのチャンスがあるなど、気分転換がしやすくてクリエイティブな刺激のある街がよい。

 ホームズ総研所長・島原万丈の卓抜なネーミングを使えば、郊外の「センシュアスシティ」(官能都市)化が必要なのだ(島原万丈『本当に住んで幸せな街』〈光文社新書、2016年〉参照)。繁華街と同じ楽しさではないが、五感で感じる楽しさがなければならない。

 郊外に週末通う生活

 在宅勤務の適地は、おそらく定年前後の人が移住するリタイアメントサバーブ(リタイアメントシティと言ってもよい)や、日頃は都心でばりばり働くビジネスマンのための週末リゾート(リゾート都市と言ってもよい)としても適地である。自然が豊富で、散歩などの運動に適しているからである。都心に毎日通うには遠すぎるが、週末だけ休息に来るなら問題はない。

せっかくできあがりつつある住宅地を空き家だらけのまま放置するのはもったいない

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