
昼寝専用枕「ナピロー」の使用イメージ【拡大】
単なる「休息」だけにとどまらない、睡眠の役割
健康的な生活を送るために睡眠がいかに大切か、ということが最新の研究により明らかになってきたわけだが、番組を制作したNHK科学・環境番組部チーフ・ディレクターの市川衛氏は、「番組をつくり終え、改めて『睡眠の重要性』を痛切に感じるようになった」と語る。
「今回、睡眠研究の最前線の取材をしていて感じたのは、『睡眠』という行為が単なる『休息』だけにとどまらず、私たちが生きるうえで欠かすことのできない、さまざまな役割を果たしていることでした。近年、その詳しい実態が解き明かされつつあります。
これまでも『睡眠が足りないと、病気にかかる可能性が高まる』ということは統計データから見て取ることができました。しかし、『なぜそうなるのか?』という因果関係についてはいまいちハッキリさせないままで、睡眠が不足することのリスクについてきちんと光を当ててこなかった側面があるように思います。
番組内でもお伝えしましたが、最近の研究では、がん細胞の増殖を防ぐ免疫の仕組みや、認知症の原因物質とされる脳の老廃物の排出に、睡眠が重要な役割を果たしていることがわかってきました。そこから考えていくと、睡眠が足りない状態が長く続けば、1日1日の影響はわずかでも、時間の経過とともに影響が積みあがって膨大になり、やがては病気につながるのではないか? という可能性が見えてきます。
今回の番組で取材したスタンフォード大学の西野精治さん(睡眠生体リズム研究所長/ベストセラー『スタンフォード式 最高の睡眠』著者)は、『今後、さまざまな疾患でエビデンス(証拠)が出てくるだろう』とおっしゃっていました。睡眠負債の研究がこれからさらに進んでいけば、より多くの病気などとの関係も明らかになっていくのではないでしょうか」