
昼寝専用枕「ナピロー」の使用イメージ【拡大】
前出、NHKの市川ディレクターは、番組終了後の思いと合わせて、「仕事と睡眠」についての見解を次のように述べる。
「私は30代なのですが、今回の番組の取材を進めるまでは『1日6時間も寝ていれば十分』と考えていました。それで眠気も感じないし、能力を発揮できていると思っていたのです。
しかし睡眠負債について調べるなかで『6時間睡眠を2週間続けると、集中力や注意力が2晩徹夜した状態とほぼ同じレベルまで衰えてしまう』ことを示したアメリカの論文(The cumulative cost of additional wakefulness)を読み、衝撃を受けました。とりわけ驚いたのは、6時間睡眠のグループは、客観的には脳のパフォーマンスが落ちているにもかかわらず、それをきちんと自覚できていなかったという点です。徹夜や短時間睡眠を続けても、ついつい『自分は大丈夫』と思ってしまいがちなのですが、そうした感覚は思った以上にアテにならないのかもしれません。
アメリカで睡眠医学の臨床にかかわっている医師から聞いたのですが、アメリカのビジネスマンには『プロフェッショナルとして、寝る』という文化が根付いているといいます。翌日の仕事のパフォーマンスを保つために、プロとして睡眠時間を確保するということです。私自身、仕事に家事に忙しくてなかなか睡眠時間を確保できないのですが、『プロとして、寝る』という考え方を知ったことで、より意識して睡眠時間を捻出するようになりました」
プロとして、寝る--実に良い言葉ではないか! これから我々労働者は、自身のビジネススキルを高めるのと同じ感覚で……いや、それ以上の強い意志をもって、睡眠時間を十分に確保していかなければならない。
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者/PRプランナー。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『バカざんまい』など多数。
(ネットニュース編集者/PRプランナー 中川 淳一郎)(PRESIDENT Online)