「良識」捨てた反安保勢力を記憶に
安倍政権考安全保障関連法が29日に施行される見通しだ。北朝鮮や中国が一方的に軍事的緊張を高めるアジアの情勢を踏まえれば、日本の防衛法制を改めるのは当然の措置だ。しかし、これに異を唱える勢力は少なくない。その代表格が野党第一党の民主党であり、朝日新聞や東京新聞だが、果たして「良識」を持ち合わせているのだろうか。
「集団的自衛権はいらない」。民主党の岡田克也代表(62)はこう断言するが、日本を取り巻く安全保障環境は、こう言い切れているだけの余裕があるのだろうか。
東シナ海では中国が日中中間線付近で海洋プラットホームを増設し、レーダー配備やヘリコプター展開のための軍事拠点化が懸念されている。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺では領海侵入、領空侵犯を繰り返し、尖閣奪取の野心を隠そうともしない。日本のシーレーン(海上交通路)となっている南シナ海に目を転じれば、中国が着々と軍事拠点化している。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮は金正恩第1書記の暴発が懸念されている。
こうした冷徹な安全保障環境を踏まえれば、岡田氏の主張はとんでもない的外れか、国益を無視した党利党略のためとしか理解できない。
3年3カ月の短期間とはいえ、民主党は政権を担い、日米同盟の深化を掲げた。かつての政権党が日米同盟の関係強化を否定するかのような言動を繰り広げる日本の政治状況は、米国はじめ関係各国に不信感を与えかねない。
民主党は昨年作成したリーフレットで「いつかは徴兵制? 募る不安」と、安保関連法が成立すれば、徴兵制が敷かれるかのような不安をあおり立てた。そもそも徴兵制は「憲法が禁じる『苦役』」(安倍首相)に当たり、兵員に高度な技能が要求される現代戦では軍事的合理性にもそぐわない。このため徴兵制を採用しないのが国際的な潮流なのだが、それでも民主党はこうしたレッテル貼りをやめようとしなかった。
2月には、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党4党とともに安保関連法廃止法案を国会に提出した。日本が平和を享受するための基軸は日米同盟の強化に他ならない。昨年4月に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を再改定したのは、急速に軍事的緊張を高める中国や北朝鮮の脅威を封じるためだ。集団的自衛権の行使容認を含む安保関連法はそれを法的に裏付け、自衛隊と米軍が互いに助け合うことによって「抑止力」を強める意味がある。
これに反対して喜ぶのはだれか。海の向こうであざ笑う独裁者たちがいることを知らないのだろうか。
「反安倍」「安保反対」という点では、安保関連法に強い批判を繰り広げてきた朝日新聞、東京新聞など一部の報道機関も「共闘」する関係にある。
「専守防衛という戦後日本の国是を守り抜く決意を、国民が自ら選挙で示すことが重要だ。諦めや無関心は、政権の暴走を許すだけだ」
東京新聞は2月19日付朝刊の社説で、野党が提出した安保関連法廃止法案を「根幹を正す第一歩」と位置付け、選挙で意思表示するよう読者に呼びかけた。その狙いは“安倍政権打倒”なのだろう。
こうした構図と主張は、1960年の日米安全保障条約の改定と重なる。今と同じように「米国の戦争に巻き込まれる」と無責任に不安だけをあおり立てた。だが、安保条約があったからこそ、日本は平和を享受できたことは歴史が証明している。それから56年たった今も、国家の存立と国民の生命を守る「良識」を捨てた反安保勢力が存在していたことを記憶にとどめなくてはならない。(政治部 峯匡孝/SANKEI EXPRESS)
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