同感だが、仏陸軍少将だったド・ゴールが、吉田茂首相(1878~1967年)による防衛大学校第1回卒業式(57年)での訓示を知ったのなら、憤激しただろう。
「君達は、決して国民から感謝・歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難・誹謗ばかりの一生かもしれない。しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけ。言葉を換えれば君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。耐えてもらいたい」
ド・ゴールの訓示とは似て非なる、無礼な内容だ。事ほど左様に、国民の多数がようやく《軍事=悪》という危険な方程式の異常に気付き始めたのは、敵性国家がわが国に、露骨な軍事的恫喝・主権侵害を激化させる比較的最近になってから。5人を含め立案を担任した退役将軍団は、多くの国民がその方程式を“暗記”させられていた時代に青年将校だった。「長い平和に耐え」「戦争に備え続ける忍耐」を涵養してきたのだ。
JFSS案に「忍耐」の“戦果”を見た。(政治部専門委員 野口裕之)