川島町長は町議を4期務めた後、2011年4月に防災対策を訴え、共産党推薦で初当選した。確かに過去には深夜の避難勧告で被害が拡大したケースもある。防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏(70)も「町長の考えにも一理ある」と一定の理解を示す。
土砂災害に関する避難情報は、発生場所の予測が困難なため判断が難しい。国土交通省によると、08~10年に起きた土砂災害2881件のうち、避難勧告はわずか224件。災害発生前は92件しかない。
ただ今回のケースについて山村氏は「土砂災害警戒情報が出された時点で勧告を出すべきだった」と指摘する。町の地域防災計画にも、警戒情報発令の場合、「自主避難を促すとともに、避難勧告の判断に活用する」と明記されていた。
だが肝心の警戒情報は町に伝わっていなかった。町幹部や防災担当者は15日午後6時5分に都からファクスに気付かず、6時半ごろまでにいったん帰宅。ファクスは約6時間後に総務課長が再登庁するまで放置された。緊急事態に、町トップも、役場職員も不在…。危機管理コンサルタントの田中辰巳氏(60)は、行政の不作為にあきれる。