「これは人災だ」
三原山の噴火で全島避難を経験したこともある“災害慣れ”した町で、過去の教訓はなぜ生かされなかったのか。
川島町長は土石流が発生する前日の15日午後4時すぎ、総務課長と電話で16日午前2時に職員を役場に待機させる「非常配備態勢」を取ることを確認。だがそれ以降、11時間もの間、町と連絡を取ることはなかった。「電話すると、混乱を招く」。川島町長の釈明を言葉だけとらえれば、道理は通っているようにも聞こえるが、風雨が強まった夕方以降、役場には職員の姿もなかった。
「防災担当者が一時帰宅するのは災害対応上、問題外」。こう批判する日大の福田充教授(44)=危機管理論=は「町を離れていても、防災担当者と情報交換を密にしておけば、指揮、命令は電話で可能だった」と指摘する。
気象庁は15日午前10時45分に緊急会見を開き、台風26号について「この10年で最も強い」と警戒強化を呼び掛けた。だが、川島町長はその直前、島根県隠岐の島町に向け出発していた。