作品制作は3カ国で行われた。規模が大きいことから、日本で引き受ける会社が見つからず、3次元形状データを基に、中国の深●(=土ヘンに川、しんせん)で切削とアルミ鋳造を行った。それを神奈川県の工場に運び、200以上のアルミニウム製の鋳造パーツを溶接、研磨、仮組し、最後に、韓国の天安で2カ月間かけて完成させた。各サイトを移動しながら何百ものパーツを組み上げ、その精度を一定以上に保ち続けることは思いのほか難しく、完成は予定より1年遅れた。予算も大幅にオーバーし、肉体的にも精神的にもハードだったという。
「規模が建築物のようになってきたので、これからは建築もやっていきたいと思う。建築でも彫刻でもない作品づくりにも挑戦していきたい」と意欲を燃やす。美術館やギャラリーなどではなく街の中に作られたアートについても「一つのあり方として都市の中にアートがあふれ出ていくという構図があると面白くなっていくのではないか」と話す。