ぼくの小学校4年から6年までの担任のセンセイは、あとから知ったのだが、京都を代表するキノコ博士だった。『キノコの女王』『虫をたおすキノコ』『京都のキノコ図鑑』などを著す一方、腹菌類の本格的研究を続けておられた。吉見照一センセイという。ぼくのジンセーに最大の影響をもたらした菌活センセイだ。
吉見センセイが教えてくれたことは、「キノコは木の子」「キノコが森をつくっている」「キノコは他の生きものに頼って生きている」「キノコは互いに扶けあう」ということだった。これはマイコロジー(菌類学)の基本の基本の見方だった。
キノコは環境保持や生活文化に欠かせないだけではなく、われわれの想像力を大いにかきたててきた。たいていの童話にはキノコが登場し、中国本草学を筆頭に多くの薬物や毒物として寄与し、幻覚剤としてはつねにアーティストたちをおかしくさせてきた。ジョン・ケージのキノコ好きはそうとうなもの、ぼくもマース・カニングハムらとキノコ音楽会をたのしんだことがある。