オバマ大統領は10月、政府機関の一部閉鎖問題を理由にフィリピンなど東南アジア4カ国歴訪をキャンセルし、看板政策の「アジア重視」からの後退を印象付ける結果に。被災地支援は人道目的にとどまらず、アジアとの関係を深める思惑があるのは間違いない。
東日本大震災で米軍が実施した支援活動「トモダチ作戦」は最大時に空母など艦船約15隻、航空機約140機を投入して物資輸送や行方不明者の捜索、仙台空港の復旧作業などに当たり、日米同盟の価値をアピールした。今回も軍の大規模展開で「頼りになる米国」を誇示したい考えだ。
これに対し、中国の支援は見劣りが否めない。中国政府と中国赤十字はそれぞれ10万ドル(約1000万円)の支援金を送ると表明。1000万元(約1億6000万円)相当の物資の追加支援も発表した。
中国外務省は台風30号被害から1週間以上たった16日、緊急医療援助隊を派遣する用意があると表明したが、南シナ海での領有権問題で関係が冷え込むフィリピンへの大規模支援は実現が難しい。(ワシントン 共同/SANKEI EXPRESS)