もちろん、美少女像がより「萌え」る方向に発展していった根底には、恋愛シミュレーションゲームやアダルトゲームに登場するヒロインを、もっと魅力的に描きたいというグラフィッカー(絵師)の度重なる試行錯誤があった。やがてPCゲームの美麗なグラフィックはミーム(=情報の遺伝子)として、アニメ作品へと受け継がれていく。アニメ制作会社「京都アニメーション」は、「Air」「Kanon」「CLANNAD」などの人気ゲームの世界観を見事に描写。その職人技は並大抵ではない。
絵師の進化がとどまるところを知らないのは、若手が日々参入し、出版社が新たな才能を求め続けているために、絵師たちが自らの表現を必死に探求していることが大きい。これが次第にテクニカルな技を生み出し、個性的な色彩を描く理由になっている。「絵師100人展」では、匠(たくみ)に磨かれた技の粋が集結している。迫力ある特大プリントも展示しており、画集やPC画面では分からない細やかなテクニックをご堪能いただければと思う。(京都国際マンガミュージアム研究員 應矢泰紀(おおや・やすのり)/SANKEI EXPRESS)