共産党中央に上り詰めるには、各省の党委書記や市長など、地方幹部として在任中の業績が鍵を握る。だが、実績評価の重要な指標は経済成長であるため、地方幹部らはいきおい環境保全には目をつぶり、出世のため目先の「経済建設」に励むというわけだ。
このほど中国視察を終え帰国したNPO法人国際環境経済研究所の小谷勝彦副理事長は、こうした点に加え、「地方政府(幹部)は、増値税収入を増やそうと傘下の国営企業に増産を求める。地方政府(幹部)の意向を無視できない企業サイドは工場をフル稼働させ、結果として過剰生産になる傾向が強い。それが大気汚染に結びついている側面がある。中央政府の環境対策も、地方政府の壁に阻まれてしまう」と指摘する。