重厚な四つ星ホテル
ウンゲニからわずか西方15キロの場所にあるルーマニア第2の都市ヤシ。中世時代、両国が同一国家だったときから中心都市として独自の文化を育み、街中には宮殿や大聖堂などの歴史的建造物が立ち並ぶ。19世紀にルーマニア公となったアレクサンドル・ヨアン・クザ(1820~73年)の銅像が建つ「統一広場」の一角に、重厚な雰囲気を醸し出す石造りの建造物があった。
トライアン・グランド・ホテル。1882年、ギュスターブ・エッフェルが設計した四つ星ホテルだ。希代のフランス人建築家は、ルーマニアとモルドバ双方の町に、確固たる足跡を残していたのである。
鉄道に乗ってエッフェル橋を越え、エッフェルが作った豪華ホテルで旅の疲れを癒やす。近い将来、EU諸国を回る旅人の観光コースの一つになるのかもしれない。(佐々木正明、写真も/SANKEI EXPRESS)