人との出会いを求めて、世界中を回り、一番気に入った日本で修業をすることに。居酒屋や料亭で働きながら、接客や料理はもちろん、店を切り盛りするために必要なノウハウを学び、経験を積んだ後、念願のバーを開店した。
日本でバーを開き、アメリカとの大きな違いを感じるようになった。「バーに限らず、日本では初対面の人といきなりフランクに話すようなことはない。でも、アメリカではそんなことは日常茶飯事。日本でも、アメリカのように初対面の人同士がいきなり打ち解けられるようなバーにしたい」と考えた。
「もっとお客さまを楽しませたい」
「もっとリラックスしてもらいたい」
「もっとストレスを発散してほしい」
サムさんは、取材で「もっと」を何度も繰り返した。お客さんのことをどれだけ大切に思っているかが伝わってきた。
「目の前のお客さんが、どんな気持ちでお店にきたのかを察して話をしたり、ときにはあえて話しかけなかったりと、お客さん一人一人に合った対応を心掛けている」と、サムさんは言う。