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歴史から教訓、秘密の公開が不可欠 渡辺武達 (2/4ページ)

2013.11.27 11:30

 世界中のどこの国でも国家は国民を守るために一定の範囲での秘密を保有している。個人間でも国家間でも、国家と国民の間でも、秘密はない方が望ましい。しかし、現実には秘密なしに円滑な国家運営などできない。民主国家では、プライバシー保護の権利を個人に保障して社会生活の安寧と調和を図っているのだが、個人の所属する最大の組織である国家がその構成員を守り、グローバル社会で国民の利益を守るためには、秘密が必要であることは言を俟(ま)たない。

 問題は誰がどういう情報を何のために秘密とするのか、そしてそれらの秘密はいつまで「秘密指定」されたままに置かれるのかということである。たとえば、日本の特定秘密保護法案がモデルの一つとしている米国の場合、特例を除き、たいていの秘密指定は25年で解除される。筆者も仕事上、首都ワシントン郊外のバージニアに置かれ、第一次大戦以降の米国政府の秘密ドキュメントを集めた米国立公文書館(NARA)をしばしば訪れている。NARAは、米政府がどのような文書をいつまで秘密にできるかの審査なども行う政府組織の一つでもある。

1、2週間通い詰めても目的の秘密解除文書にたどりつけないほど、米国には「秘密」が多い

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