「ヌアバレ・ンドキでは密猟はほとんどないが、広い範囲を歩き回るゾウは保護区の外に出て、密猟の犠牲になる」とマングエット。
コンゴの北半球部分が大雨期に入ったばかりのある日、特別の許可を得て、バイを見下ろす研究用の木造のタワーで一夜を過ごした。
周囲にはさまざまなリズムを刻むカエルや虫の声があふれ、時折、遠くからチンパンジーの声も響く。深夜に突然降りだした激しい雨の音が漆黒の夜の闇に満ちるすべての音をかき消す。
一晩中降り続いた雨が上がった早朝、朝もやの中に浮かび上がったバイには、既に草をはむ多くの動物の姿があった。
バイでゾウを観察していると、銃を肩から下げた5人の国境警備の軍人が姿を見せた。「すぐそこが中央アフリカとの国境だから警備を強化している」「昨日、セレカの逃亡兵が小さなカヌーでやってきて逮捕された」。隣国の政変やゾウの大量殺害は、コンゴのバイにとっても大きな不安要素だ。
ほんのわずかな土地を野生生物のために残しておいてやること。今の人間にとっては、それさえも難しいことなのだろうか。(敬称略、共同/SANKEI EXPRESS)