快晴、満員の東京・国立競技場で12月1日、行われた大学ラグビー伝統の対抗戦は、早稲田大学が宿敵明治大学を15-3で下した。点差以上に、早稲田は早稲田らしく、明治は明治らしく、4万6961人のファンを喜ばせた。
来年から改修工事に入るため、現在の国立競技場で行われる早明戦はこれが最後。幾多の名勝負を繰り広げてきた両校の意地のぶつかり合いを見るため、これだけのファンが集まった。すでに両校には優勝の可能性はない。
先制したのは明治。前半28分、ゴール前のラックからSO茂木直也(4年)が落ち着いてドロップゴール(DG)を決めた。全盛のころの明治にも、松尾雄治や小林日出夫らDGの名手がいた。
PGで同点に追いついた早稲田は盛んにオープンにボールを回すが、明治のDFはなかなか穴を空けてくれない。日本代表の切り札、FB藤田慶和も走りきれない。
明治はFW戦にこだわり、モールを押して早稲田ゴールに迫るが、早稲田は出足よく低いタックルを突き刺し、最後の最後で前進を許さない。過去に何度、同じ光景を見てきたことだろう。明治が攻めて、早稲田が守る。小さなミスを逃さず、早稲田が逆襲する。