現実的な選択肢は…
福島県飯舘村から福島市に避難している男性(63)は「故郷に帰って住み直したいか」との質問に、いったん「はい」に印を付けたが、最終的に「いいえ」と付け直した。浪江町から静岡県富士市に移住した堀川文夫さん(59)は「帰れるものなら帰りたい。できないから帰らない選択をした」と話した。
望郷の思いは、「現在の暮らしで困っていること」(複数回答)という質問からもうかがえる。最も回答が多かったのは、約4割の被災者が挙げた「故郷や住宅の荒廃」だった。避難先での生活も厳しい。「1年前と比較して生活はよくなった」と回答した人は12%。「家族関係が悪くなった」との回答は3割を超えた。また、85%が「避難生活にストレスを感じる」と回答。仕事の状況については33%が「休業、休職中」としており、経済的にも状況は改善していない。(SANKEI EXPRESS)