特定秘密保護法案の野党との修正協議も、当初は日本(にっぽん)維新の会やみんなの党の抱き込みを図ろうとした官邸サイドの意向だった。衆院段階では、両党と修正合意もでき、みんなの党は賛成票を投じ、党内をまとめきれなかった維新は採決を欠席する形で官邸サイドの意向に最大限応じた。
しかし、参院に審議の舞台が移ると、維新もみんなも党内事情を優先して態度を徐々に硬化させた。官邸サイドは会期を延長しないことにこだわる中、与党側は引き続き維新やみんなとの修正を優先させた。それでも、5日の参院国家安全保障特別委員会では維新、みんなは採決を退席してしまった。
与党側は、維新やみんなの抱き込みに成功しなかったばかりか、民主党がどこまで抗戦するかも読み切れないままきた。
与党内には「誤算続きだった」という声もあるが、安定感のない国会運営との印象はぬぐえず、来年の通常国会に向けて大きな課題を残した。(内藤慎二/SANKEI EXPRESS)