「私、スーパー不器用なんです。自分の中で、そのイメージがぱっと浮かべばいいんですけれど、浮かばないとやっぱり大変で。今回は傍白のシーンがありますが、慣れていないから、そこが特に…」。テレビや映画なら瞳孔の微妙な動きにクローズアップすれば伝わる感情表現も、舞台となれば勝手が違う。初歩的な表現の違いに戸惑っているという。「それでも、やっぱりできないことができるようになっていくのは喜び。堤さんは傍白がとても上手じゃないですか。それを間近で見ながら、いつかできるようになるための機会が、今、与えられているのだと感じています」
演出家としての長塚とは、舞台上では初めての対峙(たいじ)となる。「怖いです。苦手なところをすごく突いてくるから。言葉、言葉、って言われ続けています。特にシェークスピア劇は、言葉そのものが美しく、一つの単語から、観客の方々はイマジネーションを広げて楽しまれている。だからまず、俳優である私たちがきちんと、クリアに伝えなければいけないと課されています」