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マイルス・デイヴィスをグルーヴな日本語にする 菊地成孔と大谷能生の大胆なアフォーダンス 松岡正剛 (2/5ページ)

2013.12.9 20:00

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 マイルスについての本はゴマンとある。自伝もあるし、『マイルスを聴け!』の中山康樹など2010年だけで6冊も書いた。いろいろ読みながら、菊地・大谷が満を持して「モダリティ」「ミスティフィケーション」「エレガンス」の3つの窓をアフォーダンスとして縦横に裁断してみせたマイルス論が、断然に群を抜いていた。とくに菊地の用いる言葉がバップでクールでフュージョンになっていたのだ。こういう日本語でマイルスを語ることが、ずっと待望されていたものだ。

 マイルスは高速の沈潜者で、才能の狩人だった。50年代前半はコルトレーンらと組み、後半はビル・エヴァンスがラヴェルやラフマニノフを持ち込んでセクステットをつくり、60年代はソニー・ロリンズ、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターと交えながら「黄金のクインテット」で『ネフェルティティ』などを練り上げた。70年代のエレクトリック・マイルスはスタジオ録音のたびにモダリティを変え、80年代はプリンス、チャカ・カーン、シンディ・ローパーさえ編集し、最後はヒップホップまで超ジャズにした。

 こんな悩ましくて恰好いいミュージシャンには、しばらく出会えないだろう。

「マイルス・デイビス自叙伝(上下)」「マイルス・デイヴィス」

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