【KEY BOOK】「マイルス・デイビス自叙伝(上下)」(マイルス・デイビス/クインシー・トループ著、中山康樹訳/宝島社文庫、840円、在庫なし)
マイルスは「帝王」と呼ばれた。この本はその帝王が残した唯一の自伝だ。とはいえトループがヒアリングでまとめたので、全編が「オレは…」の口調になっている。「オレの人生で最高の瞬間はディズとバードが一緒に演奏しているのを初めて聴いた時だった」というふうに。ディズはディジー・ガレスビー、バードはチャーリー・パーカーだ。
【KEY BOOK】「マイルス・デイヴィス」(中山康樹著/講談社現代新書、756円、在庫なし)
元「スイングジャーナル」編集長によるMD入門書。生涯、主要音楽シーン、必聴盤がだいたいわかる。穏やかにMDを知りたいならお薦めだ。もう少し濃く知りたいなら『マイルスを聴け』シリーズを。中山は「ジャズはマイルスだけを聴いていればいい」という金言の持ち主。「マイルスが何をしたかではなく、マイルスにしかできなかったことが重要なのだ」という名文句もある。中山おススメの最大のインプロ盤は『カインド・オブ・ブルー』。