生活実感に近いとされる名目GDPは、前期比0.3%増(速報値は0.4%増)、年率換算では1.0%増(1.6%増)で、実質同様に下方修正された。
7~9月期のGDP改定値は4四半期連続でのプラス成長は確保したが、民間予測の平均(年率1.5%増)を下回り、景気回復の足踏み状態を示した。
駆け込み需要拡大
ただ、民間エコノミストの多くは「10~12月期の成長率は再び加速する」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)と予測。成長の鈍化は一時的とみている。設備投資の回復や、来年4月の消費税率引き上げをにらんだ駆け込み需要の拡大が見込まれるためだ。
実際、内閣府が12月9日発表した11月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は前月比1.7ポイント上昇の53.5となり、2カ月ぶりに改善した。「増税前の駆け込み需要で単価の高い商品の購買意欲が高まり、販売量も増えている」(近畿の家電量販店)ためで、内閣府は、基調判断を前月の「着実に持ち直している」から「緩やかに回復しつつある」に引き上げた。