多くの人が代わる代わるハンマーを手にしては、怒りをレーニン像にぶつけるようにハンマーを打ち下ろした。そして、砕け落ちた破片を拾い始めた。カチン、カチンという音とともに、「革命だ」「ウクライナに栄光あれ」「盗賊ども(現政権に群がる一部の利権者たち)は去れ!」との声が沸き上がった。
もちろん、レーニン像が倒されたからといって、この国の社会状況がよくなるわけではない。しかし、人々は「ようやくウクライナは独立できる」「私たちはロシアにはくみしない」と口々に叫んで、心から喜んでいるようだった。破片を手にした男性は「独立の記念だ」と話した。
翌(12月)9日の夕方、再び現場に赴くと、依然としてものすごい人だかりだ。市民らはそれぞれハンマーや金づちを持参して、レーニン像をたたき割っていた。
時折、台座を蹴飛ばす人や、「ざまあみろ」などと罵詈(ばり)雑言を浴びせかける人がいた。キエフでは、こうした行為に対して「民主主義ではない。破壊行為だ」との批判もある。
ウクライナのデモは、EUとの統合路線の棚上げが直接の原因となったが、それはきっかけにすぎず、人々の不満は、低迷する経済やロシアの圧力などさまざまな側面を併せのんで拡大した。(モスクワ支局 佐々木正明、写真も/SANKEI EXPRESS)