被災のトラウマから野球に関する言葉を聞くと嘔吐(おうと)する少年、放射能に悩みながらも子供たちに野球を取り戻すため尽力する保護者の姿…。「震災後、福島の子供の健康やスポーツは置き去りにされている」と感じたという。一方で、スポーツの力も実感した。「野球をしているとき、子供も親もみんな笑顔になるんですよ」。試合に勝つと、子供のようにはしゃぐ保護者もいた。
今も月に1度は福島に足を運び、取材を続けている。「自分はこんなにも故郷が好きだったんだと、改めて思いました」
震災から2年半が過ぎ、東京では震災が忘れ去られていると感じる。震災当時は、節電で暗かった街も、今は震災前と同じように明るくなった。「格好をつけるわけじゃないが、取材を続けることが使命だと思っています」と岡さん。「福島の現実」という言葉の意味を、きちんと受け止めていかなければいけないと思う。(油原聡子/SANKEI EXPRESS)