楽天は苦渋の決断を迫られている。従来の入札制度は最高額で落札した1球団だけに交渉権が与えられるため、楽天は競り合いでつり上がった巨額マネーを手にできると踏んでいた。2006年の松坂大輔、11年のダルビッシュ有の両投手はいずれも落札額が5000万ドルを超えた。田中に対しては、ヤンキースやドジャースなどの有力球団が強い獲得意欲を示しており、「7500万ドルに上る」との予想まであった。
ところが、旧制度は昨季で失効し、落札額の高騰を防ぎたいメジャー側との厳しい交渉の結果、新制度では譲渡金として2000万ドルの上限が設定されてしまった。大誤算となった楽天の三木谷オーナーは海外メディアの取材に「(メジャーへ)行かせるつもりはない」と語っていた。
球団が同意しなければ、田中のメジャー挑戦の道は閉ざされる。ただ、順調に行けば、14年に国内FAを、15年には海外FAを取得する。そこで堂々と海を渡れば、球団には1円も入らない。楽天の今季の年俸総額(外国人選手を除く)は12球団で10番目の約18億4000万円。今季4億円の田中も含めたすべての日本人選手の1年分を賄える20億円は決して安い金額ではない。