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【日本遊行-美の逍遥】其の三(山鹿・熊本県) 積み重なる文化 創造力を刺激 (3/4ページ)

2013.12.20 10:30

不動岩山頂に至るまでの道で、山鹿番傘を撮影=2013年8月7日、熊本県山鹿市(井浦新さん撮影)

不動岩山頂に至るまでの道で、山鹿番傘を撮影=2013年8月7日、熊本県山鹿市(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 前不動の鳥居。自然にできた巨石の形に圧倒される=2013年8月7日、熊本県山鹿市(井浦新さん撮影)
  • 後不動を背後から見たところ=2013年8月7日、熊本県山鹿市(井浦新さん撮影)
  • 帰り道、山鹿の夕暮れどきの田んぼを撮影=2013年8月6日、熊本県山鹿市(井浦新さん撮影)
  • 吉田崇さんは鳥取県での修行をはじめ、全国各地の和傘職人を訪れて研究を重ねた=2013年8月7日、熊本県山鹿市(井浦新さん撮影)
  • 山間にある「傘屋_崇山(そうざん)」の工房にて。机に載っているのが「頭ロクロ」=2013年8月7日、熊本県山鹿市(井浦新さん撮影)
  • 俳優・クリエイター、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)
  • 熊本県山鹿市(やまがし)
  • 熊本県山鹿市(やまがし)

 山鹿傘の特徴は、持ち手に焼きを入れることにより装飾を施し、それが虎のようでもあり、なかなか粋である。京都の華奢(きゃしゃ)で繊細な傘に比べると、力強さを兼ね備えており、日常使いにも耐えうるものだ。

 和傘づくりの工程では、ベースを吉田さんがつくり、切り絵による絵付けを奥さんが担っている。興味深いのは、伝統的な和傘づくりを継承しながら、実用面や現代的な面白さを考慮している点だ。色も黒や白や茶のみならず、紫や赤や緑など、女性にも受け入れられる色を展開している。

 骨を支える傘の先端の部分は「頭ロクロ」と呼ばれ、傘のなかでも一番肝心な部分だ。「頭ロクロ」づくりには別に専門の職人がいるのだが、現在日本には1人しかいない。国内では山鹿以外に京都や岐阜などの大きな和傘の産地があり、この「頭ロクロ」を手に入れるために吉田さんは日々奔走しているのが現状である。

 日本のものづくりのルーツは、自然が豊かで水がきれいな場所にある。それらの場所はたいてい都市部からは遠い。そこに住んでいる人たちは、謙遜も含めて「ここは何もないでしょう。ゆっくりしていって下さいね」と言う。しかしながら僕から見れば、東京よりも情報やものの数は少ないけれども、本物の数は明らかに多い。

「風土」は人が育むものであり、同時に人は「風土」に育まれる存在

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