玉鋼という塊を小ぶりの板状に整えて積み上げ、その鋼を熱しては打つ、さらに折り曲げ重ねてまた熱しては打つ。折り返し鍛錬と呼ばれるこの工程は15回ほど繰り返される。いまは相槌を振り下ろすかわりにスプリングハンマーという機械もある。
飛び散る火の玉は不純物を多く含み、その分、残った鋼は純度を高め粘りが強くなる。相槌を担当した日本美術刀剣保存協会鎌倉支部の幹事、出島宏一さんによると、折り返し鍛錬を繰り返すことで6キロの塊が1キロに減っていくという。
この後、鋼を刀状に長く延ばし、かたちを整え、焼き入れを行い…と工程が続き、刀が完成するまでには2週間ぐらいかかる。
山村家古文書によると、初代の岡崎五郎入道正宗は鎌倉時代末期の刀工と伝えられ、5代目の山村廣正の時に戦国武将、北条氏綱から綱の一字を得て綱廣と名乗るようになったという。以後、当代の山村綱廣さんまで脈々と正宗の名と名工の技が受け継がれてきた。