正宗工芸はJR鎌倉駅のすぐ近く、フランス、イタリア料理のレストランや古道具店、画廊などが並ぶ小さな通りの一画に店舗があり、その裏が工房になっている。傍らには合槌稲荷(いなり)という小さなお稲荷さんもあり、市街地の中で不思議な安らぎがある空間だ。
現代では刀の需要は限られているが、正宗工芸には包丁や鉄工芸品を買い求めに来る人も多い。料理人だろうか、ふいご祭の日も子供連れの夫婦が「おやじの代からウチはここの包丁で」と店を訪れていた。和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、名工の技はまた一段と見直されることになりそうだ。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:写真報道局 渡辺照明/SANKEI EXPRESS)