【KEY BOOK】「オリヴァ・ツウィスト(上下)」(チャールズ・ディケンズ著、本多季子訳/岩波文庫、各798円)
ディケンズの名作の多くには、父親の愛情を受けられなかったディケンズ自身の少年期が原像になっている。なかでも『オリヴァ・ツウィスト』は救貧院で暮らす孤児が、窃盗団に巻き込まれつつ艱難と窮地をくぐり抜けていくという物語で、倦きさせない。2005年、ロマン・ポランスキーがみごとな映画にした。ぼくは子供時代の『二都物語』から最近読んだ『骨董屋』まで、ずっとディケンズのファンだ。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。80年代、編集工学を提唱。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトをリードする一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。おもな著書に『松岡正剛千夜千冊(全7巻)』ほか多数。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)