このため、米国本社の女性役員が仕事で来日した際には、講師役を引き受けてもらってメンバーとの意見交換会などを随時開催している。「女性役員のみなさんも忙しい合間を縫って快く協力してくれます。メルクは女性の活躍が当たり前の企業風土。自身がどんなキャリアを積んできたか、その軌跡を直接伺うことは大きな刺激になります」(平山さん)。
また、キャリア形成に迷いが生じたときなどは、心を開いて相談できる目上の指導役(メンター)がバックアップしてくれるのも心強い。メンバーがそれぞれの社内人脈を駆使して指導役の適任者を見つけ出し、互いに紹介し合う。人事評価をする直属の上司とは違った立場から、ざっくばらんなアドバイスがもらえる。
生産部門に所属する西由香さん(44)は、紹介された開発部門の先輩社員から「自分より1つ上、2つ上の役職・階層の管理職になったつもりの目線で仕事の全体像をとらえてみるといい」と助言を受けた。西さんは「目先のことでじたばたしている自分に“気づき”を与えてくれた」と振り返る。