しかも仲井真氏が唱えてきた「県外移設」要求は要請書から消えていた。菅氏と同じ時期に要請書を入手した政府高官はこう断言した。「知事はオスプレイの半数の県内での運用を容認した上で県外分散を求めてきた。埋め立て承認を前提にしていると確信した」
それから1カ月あまりたった12月13日、仲井真氏は承認か不承認かの判断を年内に示すと明言。別の高官は「承認に向け退路を断った」と指摘した。
なぜか。不承認とするのであれば、来年1月19日投開票の名護市長選の後まで待つのが妥当とされた。移設を受け入れる保守系候補が分裂したまま選挙戦を迎え、移設反対派の現職の勝利を待ち、地元の反対意見を重くみて不承認にする-との論法を選ぶわけだ。
退路を断った仲井真氏に菅氏も呼応した。
「『改定的』と打ち出せる要素がないと駄目だ」
米政府の反発を恐れ、地位協定の改定作業に消極的な外務・防衛両省幹部の報告を菅氏は突き返した。協定改定とオスプレイの県外分散が仲井真氏の要請の核心だと見定め、菅氏は保秘と本気度にもこだわった。
「下に任せるな。局長のお前が自分でやれ」
菅氏の覚悟は仲井真氏にも伝わる。