けれども毎年訪れる「祭」は、人を否応なく巻き込む。助け合い、伝え合い、ともに「祭」を迎える。その瞬間がある方が、生きている時間が濃くなる。人々の濃厚な関わり合いの時間の蓄積が、この鞍馬の空気そのものだ。そう思うとき、「鞍馬の火祭」が育んできたもののあまりの大きさに言葉を失い、懸命にシャッターを押すしかできなかった。(写真・文:俳優、クリエイター 井浦新/SANKEI EXPRESS)
■いうら・あらた 1974年、東京都生まれ。代表作に第65回カンヌ国際映画祭招待作品「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(若松孝二監督)など。ヤン・ヨンヒ監督の「かぞくのくに」では第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。
昨年(2013年)12月、箱根彫刻の森美術館にて写真展「井浦新 空は暁、黄昏れ展ー太陽と月のはざまでー」を開催するなど多彩な才能を発揮。NHK「日曜美術館」の司会を担当。2013年4月からは京都国立博物館文化大使に就任した。一般社団法人匠文化機構を立ち上げるなど、日本の伝統文化を伝える活動を行っている。