元日早朝、恒例の「国旗」掲揚式に呉敦義副総統(左)、江宜樺行政院長(右)らと出席した馬英九(ば・えいきょう)総統(中央)。この日に行った年頭の演説では「全民あげての経済努力」を訴えた=2014年1月1日、台湾・台北の総統府前(吉村剛史撮影)【拡大】
そもそも馬政権は台湾の輸出伸長にかげりが見える中で誕生した経緯があり、経済的に無視できないレベルに成長した中国と関係を改善し、台湾の経済にてこ入れしてゆくことは当初からの課題だった。
事実、政権発足翌年には中国との自由貿易協定に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)の協議に入り、10年に締結。また12年には中台で投資保護・促進協定などを締結し、中国大陸市場を確保してきた。
一方で「活路外交」を掲げ、11年には日本と投資取り決めを結び、13年にはニュージーランドと事実上の自由貿易協定にあたる経済協力協定(ANZTEC)を、同様にシンガポールとも経済連携協定(ASTEP)を締結。TPPに関しても20年までに参加の方針を打ち出していたが、一時的に回復した輸出の伸長も再度かげりの中にあり、経済成長率と実質賃金水準も低迷。着実な前進姿勢を示す段階を迎えたようだ。