元日早朝、恒例の「国旗」掲揚式に呉敦義副総統(左)、江宜樺行政院長(右)らと出席した馬英九(ば・えいきょう)総統(中央)。この日に行った年頭の演説では「全民あげての経済努力」を訴えた=2014年1月1日、台湾・台北の総統府前(吉村剛史撮影)【拡大】
TPP参加へ具体策模索
この年頭演説から中1日おいた3日、馬総統は経済部長(経産相)などからなる対外経済・貿易戦略の専門チームを招集し、TPP、RCEPへの参加に向けた態勢や状況を総点検。特にTPPについては、「2月末までに準備に着手し、7月末までに参加に必要な具体策をまとめるように」と指示した。行政院では、それに応じるための特別専門チームを成立させ、毎月開催する方針を発表。また、蕭万長(しょう・ばんちょう)前副総統(75)も近く民間団体を立ち上げて後押しする意向を示すなどで呼応した。
張家祝(ちょう・かしゅく)経済部長(63)によると、現段階でTPPに参加の12カ国と台湾の貿易額は2001億ドルで、台湾の貿易額全体の35%を占めており、同様に中国を含むRCEP16カ国では3233億ドルで、台湾の貿易額全体の57%を占めるという。
馬総統は演説で、「自信を持ち、競争を恐れず立ち向かうことで進歩できる」と語りかけたが、民放世論調査による支持率は11%に低迷。今年末には16年の総統選を占う統一地方選も控えており「全民あげての経済努力」の実現には大きな困難を伴いそうだ。(台北支局 吉村剛史(たけし)/SANKEI EXPRESS)