【アメリカを読む】
「米国の原油生産に問題が起きる前に行動を起こさねばならない。今がその時だ」
さすが寒さに強いアラスカ州選出のベテラン議員というべきか。米国が記録的な寒波に震え上がった1月7日、朝早い講演にもかかわらず、リサ・マカウスキ上院議員(56)はその熱弁で聴衆を引きこんでいった。
その手には自身が満を持してその日発表したばかりのエネルギー政策に関する最新の報告提言書が握られていた。
シェール革命で生産急増
米国で国産原油の輸出解禁論議が高まっている。「シェール革命」にわく米国では原油生産が急増。数年以内に世界最大の産油国に躍り出る見通しとなる中、石油ショックを受けて続けてきた事実上の輸出禁止措置について、産業界などから解禁を求める声が広がり、政府や議会も検討に着手した。