こういうのを大人借りというのだろうか。例えば1本の映画を本気で探している映画少年は、それこそやっぱりどうしても観たかった『セデック・バレ』の後編(虹の橋篇)を、それ1本のみを狙ってやってきていたのに、実はまさに間一髪で私に奪われてしまい、それからぶらぶらとギャング映画やら、サスペンス映画やらいい加減な様子で次々手にしてゆく私の背中を、「どうせ正月は酒ばっかりで、1週間の間にそんなに何本も観られないくせに」と、砂を噛むような思いで睨んでいるのだろうか。しかし安心したまえ。一本釣りの映画少年よ。私は元日の夜にしっかりと『セデック・バレ』を前編後編共に堪能したのだ。確かにそれ以外には1本しか観られずじまいではあったが、君が観たかったそれはしっかりと私も観たのだと言いたい。架空の少年に何を弁明しているのかわからないが、とにかくそんな気持ちでいっぱいである。